当社によくお寄せいただくご質問と、その回答を掲載します。
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当社の得意先様よりのご依頼でした。漏電の修理依頼です。
ご依頼いただいた日の前日の晩に、強めの雨が降っていました。
雨が降った翌日は、漏電修理の依頼がよく有ります。
状況ですが、前日の晩にいきなり漏電ブレーカが落ち何度か漏電ブレーカを上げてはみたものの、10秒ほどですぐに漏電ブレーカが落ちてしまうとの事でした。
東京電力に電話し、すぐに来てもらったそうです。
とりあえず漏電している回路までを突き止め(画像1枚目)、その回路に挿してある電気機器類を全て抜いたところまでは調べてくれたそうですが、結局電気機器の故障、不具合ではなかったので漏電も直らず、とりあえず帰られたとの事でした。
翌朝になり当社で引き続き漏電の調査をすることになりました。
まずは、漏電の計測器で漏電具合を調べました。やはり漏電しています。
画像1枚目のように漏電の該当回路は遮断されたままですので、まずは家の中で使えなくなっているコンセント、照明、その他の電気機器を念入りに調べていきます。
使えなくなっているコンセントからは全てのプラグが外され、どうやら電気機器ではないようでした。
東京電力の見落としもなさそうです。
照明も問題なく、家主さんに前日の晩の漏電した瞬間の状況を再度、細かく聞きます。
全く心当たりがないとのこと。。
こうなると屋内配線を疑っていくことになり、電線の接続部などを探し、切り離して絞り込んでいくことになりますが住宅の場合、天井裏を覗ける点検口などがない場合が多く、こちらの住宅も例にもれず分電盤以降、全く追っていくことが出来ませんでした。仕方なく漏電該当回路のコンセントを外していきます。
あるコンセントを外した時に、電線接続部(結線箇所)があり、そこの接続部を一系統ずつ外して調べていくと、画像2枚目の分岐回路が漏電していることを特定出来ました。
(赤と白の剥きだしの2線が漏電回路でした)
さてここからが大変でした。特定した漏電回路の行き先がわからないのです。
漏電回路は、コンセントボックスの中を覗くと既設配管から出ているものでしたので、家主さんに建築当時の電気配線図を拝見したいとお願いしましたが、持っていない、とのことでした。。
ここで家主さんとお茶をしながら作戦タイムです。もう一度家の中を歩き回り、バルコニーを見て回ります。(バルコニーは3,4回目です)
画像3枚目のコンセントが気になっていたので、意を決して開けることにしました。
(実はこのコンセントは、訪問して真っ先にバルコニーを見て回った時に一番最初に疑ってかかったコンセントでした。)
家主さんに聞いたら、そのコンセントは10年以上は使ってないよ、と。
しかもシリコンと塗装でガチガチに防水?処理されていました。。流石にここはないか・・・
復旧が面倒なことにならなければ良いなぁと思いながら、コンセントのカバーのネジを外すと、
!!
^^来ました! ネジを外した瞬間にネジ穴から小便小僧のように水が噴き出てきます。
この瞬間に頭の中で99%、漏電の原因を突き止めたのを確信しました!
やっぱりでした。(画像4枚目)
コンセントボックスの中は錆だらけ(鉄製)で水も溜まっています。
(画像5枚目)
10何年かけて少しづつ水が溜まっていき、前日の晩についに水位が充電部に到達したことによって漏電となったようです。
水が浸入した原因は幾つか考えられますが、コンセント上部の防水のシリコンが経年劣化して水が浸入。
さらにコンセント下部にもシリコンが塗布されていました。
通常防水のシリコンは上、左右の3方向にしか塗布しません。
これは上、左右のシリコンの塗布が薄かった時に、内部に侵入した水を下部から逃がすために下部にはシリコン塗装をしないのが普通です。今回は4方向にシリコン、さらに塗装もされててガッチガチにされていました。
他の原因としては、コンセントカバーの経年劣化による亀裂からの浸水、最悪は屋上部の防水処理の劣化から躯体への浸水などの可能性も否定出来ないため、ボックス内を定期的に確認出来るように、スイッチ用の防滴カバーをスイッチ無しで取り付け、ボックス内の状況を視認出来るようにしました。